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「理解」をやめてみよう

和紙の修行を始めた頃は、作業の流れを「理解」しようと「なぜ?」「どうして?」の質問攻めで、教えてくれる義母はウンザリ気味。逆に私は私で、「昔から決まっている。」と言う義母の答えに納得出来ず、嫁姑関係にも影響が…。

そんな時、ある一冊の本を読んだことがきっかけで、私の気持ちに変化が出てきました。

その本は【日日是恒(にちにちこれこうじつ)】。

もともとは禅の言葉で【毎日毎日が素晴らしい】という意味らしいです。この本には『「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』という副題がついていました。

主人公が茶道を始めた頃、師匠にいくら質問しても「どうしてかしらね。」とあしらわれるばかり。でも四季折々で違うお茶の作法を繰り返していくうちに、お茶の作法に込められた意味に気づき、それとともに今まで気づかなかった季節の流れや変化も感じるようになっていきます。

なぜか主人公と今の自分が少し重なる気がして、「理解しようとするのはやめて、ただ作業を繰り返しやってみよう。」と思えたのでした。