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17年経っても・・・

 先代の義父が亡くなって17年が経ちました。

嫁の私が和紙職人の道を選んだことを、天国で驚いているかもしれません。義父が生前の頃は、私は全く和紙と関わることがなかったので、今となっては義父が残した和紙の在庫と、4冊の記録ノートだけで義父の職人としての軌跡を想像することぐらいしか出来ません。

 ところが先日、義父の漉いた和紙の在庫を買い取りたいという方が工房に来られました。その方は文化財等の修復に携わるお仕事をされており、義父の和紙を良く使ってくださっていたそうです。

「僕がまだこの業界で駆け出しの頃、稔夫さん(義父)は本当に丁寧に和紙の事を教えてくれました。」と懐かしそうに話してくれました。

その方の中で義父と義父の漉いた和紙は今でも生き続けている・・・・そう思えた出来事でした。