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【大阪万博で土佐和紙を届けてきました。私たちが感じた2日間のこと】

  • 執筆者の写真: 有紀 武田
    有紀 武田
  • 9月16日
  • 読了時間: 3分

更新日:9月17日

大阪万博


こんにちは、土佐和紙井上手漉き工房です。

このたび私たちは、大阪万博(EXPO 2025)「EXPO 2025 WORLD YOSAKOI DAY」にて、土佐和紙の手漉き体験ブースを出展させていただきました。

高知県の自然そして仁淀川の清流に育まれてきた「土佐和紙」の技と心を、たくさんの方に直接お届けできた貴重な2日間。実施側としての率直な感想を綴ってみたいと思います。



はじまりは「届けたい」という想いから

普段は高知県土佐市の工房で、静かな自然の風や水音を感じながら、手漉き和紙に向き合っています。でも今回、大阪万博という大きな舞台に立つことで、「初めて和紙に触れる人たちにこそ、その魅力を届けたい」という想いで準備を重ねてきました。

「土佐和紙って、何が特別なんですか?」「和紙って、ただの紙じゃないんですね」

そんな驚きと感動の声を、会場でたくさんいただきました。

それは、和紙職人として何よりも嬉しい瞬間でした。

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初めての方と一緒に紙を漉く喜び

「これで合ってますか?」「難しいけど、楽しい!」体験中、そんな言葉をたくさん耳にしました。子どもたちの小さな手が楮の繊維に触れ、不思議そうに目を輝かせたり、お母さんと一緒に漉いた和紙を「これ、家に飾ろうね」と笑顔で話していたり。その一つ一つの光景に、心がじんわり温まりました。

正直、準備はとても大変でした。道具、材料、スタッフの手配、説明の工夫…。でも、和紙に触れた人の笑顔を見るたびに、「やってよかった」と何度も思えた2日間でした。


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一番人気は“ミャクミャク”!?和紙アートの魅力

今回は、漉いた和紙を使って作るちぎり絵アート体験も行いました。参考になるように、いろいろな和紙アートの見本を持参したのですが、なんと一番人気だったのは、大阪万博の公式キャラクター「ミャクミャク」!

自由な発想で和紙をちぎって貼る――大人も子どもも夢中になる創作時間は、和紙の可能性と表現の楽しさを改めて感じられる場となりました。

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私たちが強く感じたこと

土佐和紙は、自然と人の手が寄り添って生まれる紙です。その一枚一枚には、目に見えない想いと、積み重ねた時間が静かに宿っています。

紙を漉くという営みは、時に孤独です。一人きりで素材と向き合う日々。

それは誰にも見られずとも揺るがない、自分との対話のような時間でもあります。

けれど今回、大阪万博という舞台で、多くの方々と土佐和紙を通じてふれ合いながら、私たちは、その静かな孤独が、誰かとつながる入り口にもなり得ることを知りました。

漉いた紙に触れて感動する声。ちぎり絵を楽しむ子どもたちの笑顔。

「また来たい」「高知に行ってみたい」そんな言葉をたくさんいただけたことは大変喜びに絶えません。


そして気づいたのです。伝統を守ることは、ひとりきりのことではない。

それは、目の前の誰かと、これから出会う誰かと、確かにつながっていく営みなのだと。

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また、どこかでお会いできる日まで

私たち井上手漉き工房は、これからも高知県・土佐市の自然の中で、一枚一枚、丁寧に紙を漉き続けていきます。

でも、こうして土佐和紙を外へ届ける活動も、これからもっと広げていきたいと思います。またどこかで、皆さんと手漉きのぬくもりを共有できる日を心待ちにしています。

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👉 高知の工房でも手漉き体験ができます!本格的な体験をご希望の方は、ぜひ土佐の工房へお越しください。詳細は体験ページにて →工房体験について

 
 
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