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高校生が土佐和紙づくりに挑戦!伝統の技を体験して感じた“紙のぬくもり”

  • 執筆者の写真: 有紀 武田
    有紀 武田
  • 10月13日
  • 読了時間: 3分

高校生が工房にやってきた日


先日、地元の高校生たちが井上手漉き和紙工房(土佐市)に職業体験として来てくれました。

いつもの静かな工房が、少しだけにぎやかになった日。

「和紙を作ってみたい」「職人の仕事を見てみたい」という想いで集まった生徒さんたちと過ごした時間は、

私にとってもたくさんの気づきがある一日になりました。



1. 紙の原点にふれる ― 職人の説明から始まる一日


最初に、和紙の原料となる楮(こうぞ)や、紙漉きに使う道具を見てもらいました。

繊維を叩く音、水の流れる音、紙の原料の香り。

初めての空間に少し緊張しながらも、

生徒たちは興味深そうに一つひとつを手に取っていました。


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            職人の説明に耳を傾ける生徒たち。真剣な表情が印象的です。



2. いざ、紙漉き体験! ― 手仕事の難しさと面白さ


次に、生徒たちは職人の指導を受けながら、実際に紙を漉いてみました。漉き桁を手に、そっと水面をすくい上げる瞬間、目の前で白い繊維が広がり、美しい一枚が形になります。

「思ったより均一に漉くのが難しい!」「力加減で全然違う紙になるんですね」——そんな声があがり、笑顔と真剣さが交差する時間になりました。

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     職人と一緒に漉き方を学ぶ生徒たち。慎重な手つきで一枚一枚に心を込めて。


3.手作りの温もりを感じて ― 和紙ちぎり絵体験


午後からは、和紙を使った「ちぎり絵作品」づくりに挑戦。思い思いの色を選び、春野高校のキャラクター「はるのん」を作成してくれました。完成した作品には、その人らしさと温かみ、そして可愛さがあふれていました。

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       手漉き和紙を使って作品づくりに挑戦。集中する姿がまぶしい瞬間です。


4. ふり返りと気づき ― 紙づくりから学んだこと

体験を終えたあと、生徒たちはそれぞれの感じたことを話し合いました。はじめは「うまくできるかな」と不安そうだった生徒も、最後には「もっとやってみたい」「自分の手でつくるのが楽しい」と笑顔に。

紙を漉く動作の中には、集中力・丁寧さ・自然への感謝など、教科書では学べない大切な要素が詰まっています。一枚の紙をつくる体験を通じて、“ものづくりの裏には人の想いがある”ことを感じ取ってくれたようでした。


5.未来へのつながり ― 地域と若者の力で文化を守る

この日を通して感じたのは、伝統工芸を未来へつなぐのは「若い世代のまっすぐなまなざし」だということ。土佐和紙の魅力を伝える活動は、決して一方通行ではなく、こうした出会いの中で私たちも新しい視点をもらっています。

和紙づくりが、彼らにとって“地域を知るきっかけ”になってくれたなら嬉しいです。そして、またいつかこの工房に遊びに来てくれたら――その時はぜひ、土佐和紙を一緒に漉きましょう。

 
 
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