子供の頃、カンフー映画が大好きで、テレビで放送される時は欠かさず見ていました。
他のアクション映画と違って、銃などの武器を使うシーンがほとんどなく、鍛えあげられた肉体だけで敵と戦うシーンは感動すらおぼえたものです。
でももう何十年も前のことで、ほとんど記憶にないくらいだったのに、ある日突然カンフー映画のワンシーンが鮮明によみがえったのです。
それは和紙職人歴40年以上という大先輩に手ほどきを受けるチャンスがあり、私がこの時ばかりと「ここをこうするのは何故ですか?」と作業の1つ1つについて質問していたその時のこと、その大先輩が一言だけ「そんなに考えるな。ただ水の音を聞けばいい。」と言ったのです。
その瞬間、なぜか映画【燃えよドラゴン】のワンシーンが脳裏に浮かんで・・・。
「Don’t think, feel!(考えるな、感じろ!)」
主役のブルース・リーが弟子に武術の指導していた時のセリフです。さらにこのセリフの後には「目の前に見えるもの(手段)ばかりに気を取られていると、本当の目標とするところへはいけない。」という意味合いのセリフが続いていました。
その大先輩とブルース・リーが重なって見えて、子供の頃と同じように感動していました。
私はその大先輩を秘かに「ブルース・リー」と呼び、尊敬しています。