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お金にならない仕事

写真:逆光写真家 渡辺八郎
写真:逆光写真家 渡辺八郎

昨年から続くコロナ感染は、まだまだ終息の兆しが見えない。思い返すと昨年の今頃は、かなり気持ちが落ち込んでいました。

和紙工房の宣伝活動として、いくつものイベントに参加する予定だったのがコロナの影響で全て中止。

そして数少ない取引先からの注文もなし。

自分達だけでなくコロナで世の中全体がどんよりとした暗い感じでした。

そんな時、ある先輩の職人さんから言われた言葉が何故か胸に響きました。

 

「お金にならない仕事をしてみなさい。」

 

最初聞いた時は「????」でした。

売り上げて利益を出さないと存続できないのに何故?

 

でも少しずつ自分が【利益=存続】の呪縛にかかっていることに気がつき始めました。

和紙製作の基準が「どうしたら売れるのか?」に偏ってしまい、売れない和紙は価値がないという無力感でいっぱいになっていました。

ただでさえ、手漉き和紙はニッチな市場で、和紙業界全体が不景気で大変なのに、「どうしたら売れるのか?」なんて私一人でどうにかできるはずもない。

お金になるかどうか以前に、まずは自分の作りたいものを作ってみよう・・・と。

 

そう決めてからの現在は、自分のイメージするものを形にする難しさを痛感している最中です。

でも本当に少しずつですが、和紙作りの引き出しが増えていっている気がします。

もちろん、工房の経営を考えると「う~ん。」と唸ってしまいますが、私の和紙製作への想いが続く限りは、工房も存続していくかもしれないな・・・と思っています。